「プロダクトマネジメントのすべて」におけるプロダクトマネージャー

MicrosoftでWindows開発に従事し、Google → Qiita とキャリアを積んで IT系プロダクト開発コンサルティングを展開する「Tably」を創業した及川卓也氏がメインで執筆した書籍「プロダクトマネジメントのすべて」は、氏のキャリアをみてわかるとおりIT系に特化したプロダクトマネージメントの参考書だ。

プロダクトマネージャーの仕事とは?

プロダクトマネージャーの仕事は大きく分けて2つあると説く。

1. プロダクトを育てる
2. ステークホルダーをまとめ、プロダクトチームを率いる

「1」は、プロダクトのステージ(0→1:PMFまで/1→10:安定化まで 等)にあわせ様々なPDCAを行うことで、多くの施策は「Running Lean ―実践リーンスタートアップ」や「スタートアップ・マニュアル ベンチャー創業から大企業の新事業立ち上げまで」などの定番から直接的・間接的な引用を受けた内容となっている。「2」については、プロダクトに関わるステークホルダーの責任をどう明確にし評価、カイゼンしていくかについて書かれている。

IT系スタートアップ界隈で仕事をしたことがある人にとっては常識的な内容だが、きれいに体系化して説明がなされているので、経験者・未経験者問わずよい参考書となっていると感じる。

「プロダクト」と「プロダクトマネージャー」

プロダクトを「広義」と「狭義」に分解して説明する。

広義. 営業やCS、マーケなどを含めた事業全体「事業全体」
狭義. ソフトウェアやシステムなどの「IT開発物」

プロダクトマネージャーが対象とする「プロダクト」は属す組織によってかわるため、事業全体をみる場合もあるし、IT開発物についてみる場合もある。事業全体をみる場合は「事業部長」などの肩書きを持つこととなるし、開発物に責任を持つ場合で特にアジャイル開発している場合は「プロダクトオーナー」や「スクラムマスター」と呼ばれる場合もあるだろう。

「プロダクトマネージャー(PdM/PM)と「プロジェクトマネージャー(PJM/PM)」

プロダクトは「継続的に」発展させるものであり、プロジェクトは「期限をきって」発展させるものである。書籍内ではアジャイルでいうところのイテレーションをひとつの「プロジェクト」と見立て「プロジェクトマネジメントはプロダクトマネジメントの一部であるともいえる」と説明している。

プロジェクトマネージャーはQCD(品質/費用/納期)の管理者なので、プロダクトマネージャーがプロジェクトマネージャーの能力を持っている事は大きなアドバンテージになるだろう。

プロダクトマネージャーとは

各社の人材募集要項(ジョブディスクリプション)を比べるてみても「プロダクトマネージャー」に求めるスキルはバラバラである。高い技術力を求める会社もあれば、事業責任者としての能力を求める場合もある。

以下私見ですが、「プロダクトマネージャーはプロダクトを成功させたい組織の中で成功になんらかの形でコミットする人」という感じでしょうか